ヘルペス

口唇ヘルペスとは

「単純ヘルペスウイルス」の感染により、唇やその周囲に小さな水ぶくれができるのが「口唇ヘルペス」です。このウイルスは感染力が非常に強く、直接的な接触はもちろん、ウイルスが付着したタオルやグラスなどの供用からも感染します。このため親子、夫婦、恋人など親しい間柄で感染することが多いため“愛のウイルス”と呼ばれることがあります。一度感染すると、多くの方は年1~2回発疹ができます。

◎症状

初感染、再発、体調などにより多少の違いはありますが、口唇ヘルペスの症状は一般的に約2週間、4段階で進みます。

第1段階:前駆期(ピリピリ、チクチク違和感がある)

水ぶくれが現れる前兆として、唇やその周辺の皮膚にピリピリ、チクチク、ムズムズなどといった違和感があります。再発を何度か経験すると前兆だとわかるようです。

第2段階:初期症状(赤く腫れる)

第1段階から半日~1日ほど経過すると赤く腫れてきます。この時期はウイルスの増殖が活発で、ここで早期治療を行うことが大切です。

第3段階:2~3日後の症状(水ぶくれになる)

赤い腫れが水ぶくれに変わります。この水ぶくれの中には多数のウイルスが存在します。人への感染に要注意の段階です。

第4段階:回復期(かさぶたになる)

水ぶくれの痕がかさぶたとなり、しばらくするとそれが剥がれて治癒します。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは

ヘルペスウイルスの一種である「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こります。初めてこのウイルスに感染したときは水痘(一般名:水ぼうそう)として全身に発症しますが、治った後でもウイルスは体内の神経節に潜伏します。何年も経過した後、加齢やストレス、過労などが引き金となり、免疫力の低下をきっかけにウイルスの動きが再び活発になります。これを帯状疱疹と言います。

◎症状

神経に沿ってやや盛り上がった赤い斑点ができ、さらに中央部にくぼみがある粟粒大~小豆大の水ぶくれが現れます。神経と皮膚の両方にウイルスが増殖して炎症を起こすため、皮膚トラブルだけでなく神経痛を伴なうのが特徴です。こちらも4段階で変化します。

第1段階:初期症状(皮膚に違和感と痛み)

発疹が現れる1週間前くらいから、皮膚にかゆみなどの違和感やピリピリした神経痛症状、時には筋肉痛の様な痛みを感じます。

第2段階:急性期痛(赤い斑点が出現)

痛みを伴って、やや盛り上がった赤い斑点が身体の片側の神経に沿って現れます。病名は発疹が帯状にできることに由来しています。このとき軽度の発熱やリンパ腫の腫れなどが起こる場合もあります。

第3段階:(水ぶくれとなる)

赤い斑点の上に水ぶくれができます。これが乾いて徐々にかさぶたへとなります。

第4段階:

これらの皮膚症状が治まった後でも、後遺症として神経痛だけ残ってしまうこともあります。

◎治療法

口唇ヘルペス、帯状疱疹ともに、抗ウイルス薬を内服するのが治療の基本です。また、症状に応じて、痛みに対する治療を併用します。