ホクロ治療
ホクロの医学的な病名は、“母斑細胞性母斑”で、良性の腫瘍の仲間に入ります。腫瘍は、細胞が増殖していくため、徐々に大きくなります。治療の目的は人により様々です。美容的な問題、盛り上がっていて引っかかるなど機能的な問題、また、悪性かどうか心配…など。当クリニックでは、その方の希望に沿った方法で、最善の治療を行います。
◎レーザー治療
良性と判断した場合におすすめの治療法です。当クリニックでは、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)と、アレキサンドライトレーザーの2種類を使用しています。
■レーザーの種類
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)
皮膚を蒸散させて、病変を取る方法です。主には、ホクロや、脂漏性角化腫(盛り上がったシミ)を取ります。レーザー光で削り取ることをイメージとしてください。このレーザーを用いると、周りの正常な皮膚へのダメージが少なく、傷あとが残りにくく、仕上がりもきれいなため、最近ではホクロ治療の主流になっています。局所麻酔で行います。所要時間は、5~10分です。
◎施術の副作用 1~2週間:びらん、くぼみ。3か月位:赤み。
アレキサンドライトレーザー
黒い色に反応するレーザーです。皮膚のメラニンや、毛のメラニンに反応しますので、盛り上がっていないシミ、ホクロの治療に用います。1回の治療は短時間で終わりますので、麻酔は必要ありませんが、大きいものを取る場合や、痛みに弱い方などは、事前に表面麻酔することもできます。
◎施術の副作用 1週間位かさぶたが出来、かさぶたが取れた後に赤み、色素沈着が3か月程度残ります。
【ご希望で、レーザーの照射方法が異なります。どちらをご希望ですか?】
なるべく傷痕が残らないよう、きれいに取りたい
1回の治療で、あまり深く削らないようにします。そうすると、ほくろの色はほとんどなくなりますが、またしばらくすると、残ったホクロの細胞が黒くなり、表面からわかるようになります。それをまた取ります。およそ3ヶ月毎の間隔で2~3回に分けて取ることをおすすめします。
傷痕は気にならないので、一度で無くしたい
1回の治療でしっかりホクロの細胞を取るためには、深くまで削る必要があります。削った分だけ、傷痕はくぼみやすいのです。
◎手術
悪性かどうかはっきりしない場合には、手術により切除し、病理組織検査により調べる必要があります。また、1回の治療でしっかりホクロの細胞を取るにはこちらの方法もあります。できている部位によっては、レーザーより手術が適している場合もあります。
◎施術の副作用 1~2週間:びらん、くぼみ。3か月位:赤み。
■ホクロの癌について
一方、稀にみられる悪性黒色腫と言うホクロの癌は、字の通り、悪性腫瘍ですので、早期診断、早期治療が大切です。心配で受診される方もいらっしゃいます。 以下の項目をチェックして、心配な場合は、診察にいらしてください。
①左右対称でない、不整形である
②周りの皮膚との境がはっきりしていなく、色がにじんでいるように見える
③大人になってできたもので、直径が6mm以上ある
④色が均一でなく、まだら
⑤急速に大きくなっている(特に、足の裏や指)